ボン兵衛くんは、とある県にある高圧ガス販売店の持ち容器である。ボン兵衛くんとそのファミリーは、自由に言葉を話し、コミニュケーションがとれるのだ。
この秘密を知っているのは、社長ただ一人なのである。


第一話 「ボン兵衛くんは停滞帰り」の巻

一般社団法人 全国高圧ガス溶材組合連合会 会報「全溶連」 平成24年1月 第159号掲載




高圧ガスの販売店は貸し出し容器の早期回収のためにさまざまな方法で取り組んでいます。
それは高圧ガス容器が長期停滞することによって、ゆるんだバルブなどからの漏洩、
安全弁の破裂による噴出、時間経過で管理意識が消失したための紛失や盗難、
長期にわたる管理不在の停滞によって腐食した容器本体の破裂などの高圧ガス
事故により、停滞している消費者やその周囲の公共に対して、その財産や生命に
被害が及ぶ恐れがたぶんにあるからです。その方法のひとつとして、保安契約に
基づく容器延滞料の徴収がありますが、これは高価な容器の停滞による販売店の
損失補てんという観点と同時に、消費者に借りた容器を保持しているという意識の徹底
および無償貸与であれば「中身のある間はずっと借りていたほうが得」という経済的
観点からずるずると停滞することを防ぐ効果を期待しています。
しかし、実態は「高価な容器の停滞による販売店の損失補てん」といっても、この例のように
一本の容器延滞料のみがその消費者への売り上げである場合には、600円の請求を
おこすために人件費や請求書一枚の発行と封書の郵送を必要とし、さらに顧客がこれを
支払うために一般的な3万円以下の他行現金振り込み手数料420円を差し引いて銀行
振り込みした場合には、月々180円の収入にしかなりません。一方、前回容器検査から5年
以上の期間停滞すると、再検査にまた数千円かかってしまい、容器自身の償却も考え
合わせると、とても損失補てんになっているとはいえない現実があります。


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