高圧ガス保安法
(昭和二十六年六月七日法律第二百四号)
最終改正:平成一八年六月二日法律第五〇号

(最終改正までの未施行法令)
平成十八年六月二日法律第五十号 (未施行)

 第四章の三 高圧ガス保安協会
  第一節 総則(第五十九条の二―第五十九条の八)
  第二節 会員(第五十九条の九―第五十九条の十一)
  第三節 役員、評議員及び職員(第五十九条の十二―第五十九条の二十七)
  第四節 業務(第五十九条の二十八―第五十九条の三十の二)
  第四節の二 財務及び会計(第五十九条の三十一―第五十九条の三十三の二)
  第五節 監督(第五十九条の三十四・第五十九条の三十五)
  第六節 解散(第五十九条の三十六)

   第四章の三 高圧ガス保安協会
    第一節 総則
(目的)
第五十九条の二  協会は、高圧ガスによる災害の防止に資するため、高圧ガスの保安に関する調査、研究及び指導、高圧ガスの保安に関する検査等の業務を行うことを目的とする。
(法人格)
第五十九条の三  協会は、法人とする。
(事務所)
第五十九条の四  協会は、主たる事務所を東京都に置く。
2  協会は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
(定款)
第五十九条の五  協会の定款には、次の事項を記載しなければならない。
一  目的
二  名称
三  事務所の所在地
四  会員に関する事項
五  役員の定数、任期、選任方法その他役員に関する事項
六  評議員及び評議員会に関する事項
七  業務及びその執行に関する事項
八  会計に関する事項
九  定款の変更に関する事項
十  公告に関する事項
2  協会の定款の変更は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(登記)
第五十九条の六  協会は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2  前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(名称の使用制限)
第五十九条の七  協会でない者は、高圧ガス保安協会という名称を用いてはならない。
(民法 の準用)
第五十九条の八  民法第四十四条 (法人の不法行為能力等)及び第五十条 (法人の住所)の規定は、協会に準用する。
    第二節 会員
(資格)
第五十九条の九  次に掲げる者は、協会の会員となることができる。
一  高圧ガスの製造の事業を行う者
一の二  第二十条第一項ただし書の指定完成検査機関
一の三  第三十五条第一項第一号の指定保安検査機関
一の四  第五十九条の検査組織等調査機関
二  高圧ガスの販売の事業を行う者
二の二  第二十二条第一項第一号の指定輸入検査機関
三  特定高圧ガス消費者
四  容器製造業者及び容器の附属品の製造の事業を行う者
四の二  第四十四条第一項の指定容器検査機関及び第四十九条第一項の容器検査所の登録を受けた者
五  高圧ガスの製造のための設備の製造の事業を行う者
五の二  第五十六条の三第一項の指定特定設備検査機関
五の三  第五十六条の七第一項の指定設備認定機関
五の四  第三十一条第三項の指定講習機関及び第三十一条の二第一項の指定試験機関
六  液化石油ガス法第二条第七項 に規定する液化石油ガス器具等の製造又は販売の事業を行う者及び液化石油ガス法第六十二条の二第一項 の認定検査機関
六の二  液化石油ガス法第二十七条第二項 の保安機関
六の三  液化石油ガス法第三十八条の六第一項 の指定試験機関及び液化石油ガス法第三十八条の九第一項 に規定する経済産業大臣が指定する者
七  前各号に掲げる者の団体
八  高圧ガスの保安に関する技術的な事項について専門的な知識を有する者その他定款で定める者
(加入及び脱退)
第五十九条の十  協会は、会員たる資格を有する者が協会に加入しようとするときは、正当な事由がないのに、その加入を拒んではならない。
2  会員は、いつでも、協会を脱退することができる。
(会費)
第五十九条の十一  会員は、定款で定めるところにより、会費を納入しなければならない。
    第三節 役員、評議員及び職員
(役員)
第五十九条の十二  協会に、役員として、会長、副会長、理事及び監事を置く。
(役員の職務及び権限)
第五十九条の十三  会長は、協会を代表し、その業務を総理する。
2  副会長は、会長が定めるところにより、会長を補佐して協会の業務を掌理し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその業務を行う。
3  理事は、会長が定めるところにより、会長及び副会長を補佐して協会の業務を掌理し、会長及び副会長に事故があるときはその職務を代理し、会長及び副会長が欠員のときはその職務を行う。
4  監事は、協会の業務を監査する。
5  監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、会長又は経済産業大臣に意見を提出することができる。
第五十九条の十四  削除
(役員の欠格条項)
第五十九条の十五  政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。
第五十九条の十六  協会は、役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
(役員の選任及び解任)
第五十九条の十七  役員の選任及び解任は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2  経済産業大臣は、役員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分、定款若しくは業務方法書に違反したとき、又は協会の業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、協会に対し、期間を指定して、その役員を解任すべきことを命ずることができる。
3  経済産業大臣は、役員が第五十九条の十五の規定により役員となることができない者に該当するに至つた場合において協会がその役員を解任しないとき、又は協会が前項の規定による命令に従わなかつたときは、当該役員を解任することができる。
(役員の兼職禁止)
第五十九条の十八  役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、経済産業大臣が役員としての職務の執行に支障がないものと認めて承認したときは、この限りでない。
(代表権の制限)
第五十九条の十九  協会と会長との利益が相反する事項については、会長は、代表権を有しない。この場合は、監事が協会を代表する。
(代理人の選任)
第五十九条の二十  会長は、理事又は協会の職員のうちから、協会の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。
(評議員会)
第五十九条の二十一  協会に、評議員会を置く。
2  評議員会は、会長及び定款で定める数の評議員をもつて組織する。
3  評議員会に議長を置き、会長をもつてこれにあてる。
4  議長は、評議員会の会務を総理する。
5  評議員会は、あらかじめ、評議員のうちから、議長に事故がある場合に議長の職務を代行する者を定めておかなければならない。
(評議員)
第五十九条の二十二  評議員は、定款で定めるところにより、会員が会員(会員が法人である場合には、その代表者又は代理人)のうちから選出する。
(評議員会の権限)
第五十九条の二十三  次の事項は、評議員会の議決を経なければならない。
一  定款の変更
二  会費の額及び徴収の方法
三  その他定款で定める事項
2  評議員会は、前項に規定するもののほか、会長の諮問に応じ、協会の業務の運営に関する重要事項を調査審議する。
(評議員会の議事)
第五十九条の二十四  評議員会は、評議員の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2  評議員会の議事は、出席した評議員の過半数をもつて決する。可否同数のときは議長が決する。
(職員の任命)
第五十九条の二十五  協会の職員は、会長が任命する。
(役員等の秘密保持義務)
第五十九条の二十六  協会の役員若しくは職員(第五十九条の三十の二第一項に規定する判定に関する事務を行う者を含む。次条及び第八十三条の三において同じ。)又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知得した秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
(役員等の地位)
第五十九条の二十七  協会の役員及び職員は、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
    第四節 業務
(業務の範囲)
第五十九条の二十八  協会は、第五十九条の二の目的を達成するため、次の業務を行う。
一  高圧ガスの保安に関する調査、研究及び指導並びに情報の収集及び提供を行うこと。
二  高圧ガスの保安に関する技術的な事項について経済産業大臣に意見を申し出ること。
三  第二十七条の二第七項及び第三十一条第三項並びに液化石油ガス法第十九条第三項 、第三十七条の五第四項及び第三十八条の九の講習を行うこと。
四  第二十条第一項ただし書若しくは同条第三項第一号の完成検査、第二十二条第一項第一号の輸入検査、第三十五条第一項第一号の保安検査、第四十四条第一項の容器検査、第四十九条第一項の容器再検査、第四十九条の二第一項の附属品検査、第四十九条の四第一項の附属品再検査、第四十九条の二十三第一項の試験若しくは第五十六条の三第一項から第三項までの特定設備検査又は液化石油ガス法第三十七条の三第一項 ただし書(液化石油ガス法第三十七条の四第四項 において準用する場合を含む。)の完成検査若しくは液化石油ガス法第三十七条の六第一項 ただし書の保安検査(以下「保安検査等」という。)その他高圧ガスの保安に関し必要な検査を行うこと。
四の二  第三十九条の七第一項(第三十九条の八第二項において準用する場合を含む。)、第三十九条の七第三項(第三十九条の八第三項において準用する場合を含む。)、第四十九条の八第一項(第四十九条の九第二項又は第四十九条の三十一第二項において準用する場合を含む。)又は第五十六条の六の五第一項(第五十六条の六の六第二項又は第五十六条の六の二十二第二項において準用する場合を含む。)の調査を行うこと。
四の二の二  第五十六条の六の十四第二項の特定設備基準適合証の交付を行うこと。
四の二の三  指定設備の認定を行うこと。
四の三  液化石油ガス法第二条第六項 の液化石油ガス設備士となるのに必要な知識及び技能に関する講習を行うこと。
四の三の二  液化石油ガス法第二十七条第二項 の保安機関となるのに必要な技術に関する指導を行うこと(国の委託により行うものを含む。)。
四の四  第二十九条の二第一項若しくは第三十一条の二第一項又は液化石油ガス法第三十八条の四の二第一項 若しくは液化石油ガス法第三十八条の六第一項 の規定により、免状交付事務若しくは試験事務又は液化石油ガス法第三十八条の四の二第一項 の免状交付事務若しくは液化石油ガス法第三十八条の六第一項 に規定する液化石油ガス設備士試験の実施に関する事務(以下「試験事務等」という。)を行うこと。
五  削除
六  高圧ガスの保安に関する教育を行うこと。
七  前各号の業務に附帯する業務
八  前各号に掲げるもののほか、第五十九条の二の目的を達成するために必要な業務
2  協会は、前項第八号に掲げる業務を行おうとするときは、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
3  協会は、第一項の業務を行うほか、当該業務の円滑な遂行に支障のない範囲において、経済産業大臣の認可を受けて、高圧ガスの保安に関する業務を行うために有する機械設備又は技術を活用して行う検査、試験等の業務その他協会が行うことが適切であると認められる業務を行うことができる。
(業務方法書)
第五十九条の二十九  協会は、業務開始の際、業務方法書を作成し、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2  前項の業務方法書で定めるべき事項は、経済産業省令で定める。
3  経済産業大臣は、第一項の認可をした業務方法書が保安検査等、指定設備の認定又は試験事務等の適正な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務方法書のうち保安検査等、指定設備の認定又は試験事務等の業務に係る部分を変更すべきことを命ずることができる。
(保安検査等の義務及び検査員)
第五十九条の三十  協会は、保安検査等又は指定設備の認定を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、保安検査等又は指定設備の認定を行わなければならない。
2  協会は、保安検査等又は指定設備の認定を行うときは、経済産業省令で定める条件に適合する知識経験を有する者に実施させなければならない。
3  保安検査等又は指定設備の認定を実施する者(以下「検査員」という。)は、誠実にその職務を行わなければならない。
4  経済産業大臣は、検査員がこの法律若しくは液化石油ガス法 若しくはこれらの法律に基づく命令の規定若しくは業務方法書に違反したとき、又はその者にその職務を行わせることが保安検査等若しくは指定設備の認定の適正な実施に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、協会に対し、検査員の解任を命ずることができる。
(試験事務等)
第五十九条の三十の二  協会は、試験事務等を行うときは、製造保安責任者若しくは販売主任者又は液化石油ガス設備士として必要な知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務については、経済産業省令で定める条件に適合する知識経験を有する者に行わせなければならない。
2  協会に試験事務等の全部又は一部を行わせることとした都道府県知事は、その行わせることとした試験事務等の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、協会に対し、業務方法書に抵触しない範囲内において、当該試験事務等の適正な実施のために必要な措置をとるべきことを指示することができる。
3  前条第四項の規定は、協会が試験事務等を行う場合に準用する。
    第四節の二 財務及び会計
(事業年度)
第五十九条の三十一  協会の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
(事業計画等)
第五十九条の三十二  協会は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(財務諸表)
第五十九条の三十三  協会は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に経済産業大臣に提出しなければならない。
2  協会は、前項の規定により財務諸表を経済産業大臣に提出するときは、これに予算の区分に従い作成した当該事業年度の決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
(経済産業省令への委任)
第五十九条の三十三の二  この法律及びこれに基づく命令に規定するもののほか、協会の財務及び会計に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。
    第五節 監督
(監督)
第五十九条の三十四  協会は、経済産業大臣が監督する。
2  経済産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、協会に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告及び検査)
第五十九条の三十五  経済産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、協会に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に協会の事務所その他の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2  前項の規定により職員が立入検査をする場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3  第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
    第六節 解散
第五十九条の三十六  協会の解散については、別に法律で定める。