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 このページは、高圧ガス保安法第20条の5(周知させる義務等)に基づいて高圧ガスの消費者に対し販売契約を締結したとき及び周知後1年に1回、使用時の注意事項をお知らせしている活動の補完として作成しました。
 高圧ガスをご使用のときは、法規(高圧ガス保安法、一般高圧ガス保安規則、液化石油ガス保安規則、容器保安規則)ならびに関係法令(労働安全衛生法、消防法他)を遵守され、高圧ガスによる災害防止に努められるようお願い申し上げます。


溶接または熱切断用アセチレン・液化石油ガス、酸素 用

高圧ガス保安法は、高圧ガスによる災害を防止するため、高圧ガスの製造、貯蔵、販売、移動その他の取扱及び消費並びに容器の製造及び取扱を規制するとともに、民間事業者及び高圧ガス保安協会による高圧ガスの保安に関する自主的な活動を促進し、もつて公共の安全を確保することを目的としています。

目次

1.適応性に関する基本的な事項
2.管理・点検に注意すべき事項
3.消費場所の環境に関する事項
4.消費設備変更に注意する事項
5.災害等緊急時に関する事項
6.他災害発生防止に必要な事項

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1.使用する消費設備のその販売する高圧ガスに対する適応性に関する基本的な事項について

◇ガスの性質
溶接、切断に使用するガスの保安上注意すべき性質をよく知っておいてください。
高い濃度の酸素は燃えやすいものでなくとも可燃性のものを発火させ、爆発的に燃焼させる可能性があります。
酸素以外の、全ての可燃性ガスは極めて引火しやすく、空気(酸素)と混合して爆発性の混合ガスを作ります。
これらの高圧ガスの取り扱い及びガス漏れには十分注意しましょう。

◇ガス名(容器の塗色)と性質

名称
性    質


支燃性のガスで、空気中で燃焼しないものでも高濃度酸素中では燃焼することが多く、特に濃度が高いときは爆発的な燃焼を起こします。酸素の消費の際は、容器や器具類(バルブ、調整器等)には油脂など可燃物が付着していると発火するおそれがあります。





極めて不安定なガスであり、火花、加熱、衝撃等で爆発する恐れがあります。不純物が含まれていて臭気があり、吸い込むと中毒することがあります。※アセチレン容器は帯電を防止し、立てた状態で使用/移動をお願いします。
プロ
パン
/ブ
タン
/プ
ロピ
レン



いずれもLPガスの成分で無色無臭のガスで、容器等に「工業用無臭」の表示のあるもの以外は着臭されています。空気より重く低い所に滞留しやすく、多量に呼吸した場合、窒息の危険や軽い麻酔性があります。

◇高圧ガス容器について
すべての高圧ガス容器は永久に高圧のままガスを閉じ込めておけるものではありません。ガスの性状、容器のつくりや販売店のサポート体制などから消費事業所での容器滞留期間を販売店と取り決め、容器内のガスの残量にかかわらず、決められた期間以上滞留しないよう心がけてください。

また、高圧ガスの容器は貯蔵・移動・消費を通じて必ず40℃以下を保たなければならないと厳しく法律で定められており、これを守らなかった場合最高50万円の罰金が課せられることになります。他にも容器の取り扱いについては注意事項があるので参照のこと。

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2.消費設備の操作、管理及び点検に関し注意すべき基本的な事項について

◇操作上の注意事項
可燃性ガス及び酸素を使って作業するときは、高圧ガス保安法の規定を遵守するのはもちろん、労働安全衛生法に基づく「ガス溶接作業主任者免許を受けた者」または「ガス溶接技能講習修了者」が作業を行って下さい。

●バルブ操作
充填容器等のバルブは静かに開閉してください。
バルブの開閉は、専用の開閉用ハンドルを使って行い、ハンドルは溶接・切断作業中バルブに着けておくといざというときあわてて探す必要がなく安全です。
作業を中止するときはバルブを閉じ、調整ハンドルをゆるめておいてください。
●点火・消火
点火は、先に可燃性ガスのみを出して点火し、次に酸素を出して下さい。
消火は先に酸素を止め、次に可燃性ガスを止めて下さい。
●その他の使用上禁止事項
狭い密室内でのガス(酸素・アセチレン)の使用は避けてください。また換気を充分行ってください。
乾式安全器は最高使用圧力を超えて使用しないで下さい。
ホースに無理な曲げ、ねじれ、引っ張り、折れ等が加わることの無いよう注意してください。
容器をアークスタート等本来の目的(高圧ガスの保持)以外に使用しないでください。
酸素容器は油のついた工具や手袋で取り扱わないでください。
溶断作業を、車両に容器を積載した状態のまま行わないでください。
バルブのねじが変形していて、調整器が取り付けにくいときは無理に取り付けず販売店にご相談ください。
容器に調整器をつけたままで移動させないでください。
ガス漏れの検査には石鹸水を利用し、決して火気で検査をしないでください。

◇管理点検
ガスを使用する前には、必ずガスの性質に合った適切な器具が使用されているか確認して下さい。
液化石油ガスに利用する圧力調整器は、七年(機器によっては十年)で交換することが指導されています。期限内の交換をお勧めします。

●毎日点検
使用の開始時及び終了時とそれ以外に一日1回以上は、調整器、ホース、吹管等の点検を行い、異常を認めたときは直ちに修理または交換して下さい。
使用後は必ず容器バルブを完全に閉めてください。
●逆火防止器 (安全器)
可燃性ガス等を使用するときは、必ず逆火防止装置(乾式安全器または水封式安全器)を取り付けて下さい。
乾式安全器は購入後、年一回は定期自主検査を実施して下さい。また、三年毎にメーカーの再検査を受けて下さい。
●ホース
ホースの連結部は、必ずホースバンドを用いて固定し、使用する前に石けん水等で、調整器の接続部、ホースの連結部から漏えいのないことを確認して下さい。
ホースは必ず定期的に点検してください。硬化したり、磨耗したり、亀裂が生じていたりする場合はガス漏れを起こす危険性がありますので新品と交換してください。

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3.消費設備を使用する場所の環境に関する基本的な事項について

◇使用環境

●火気・可燃物に対する注意
ガスの使用場所には、近くに必ず消火器(B−10以上)及び充分な量の消火用水を備えて下さい。
作業場所から5メートル以内では、喫煙と火気の使用を禁止、引火性、特に油脂類の物は置かないで下さい。
火花の飛来する場所には容器・ホース等を置かないでください。(飛来する恐れのある箇所には、可燃物をおかず、やむをえない場合は不燃性の布/スバッターシートなどで火花を確実に蔽ってください。)
ホース及びホース連結部には、ペンキ、グリスなど油脂類を含むものは塗らないでください。
酸素の容器やバルブにオイル、グリース等の油脂類を付着させないよう注意してください。
●適正な器具の使用
ホースは、酸素が青色、アセチレンは赤色、シールドガス(アルゴンガス、炭酸ガス、窒素など)は緑色、LPガスはオレンジ色で識別しています。色の間違いがないことを確認してください。
調整器・吹管は新JIS規格に対応した、より安全な(社)日本溶接協会認定品のマーク入りの製品をおすすめします。
調整器はガス別にそれぞれ専用のものを使用し、他のガスの調整器を流用してはいけません。
酸素の圧力計は必ず「禁油」のものを使用してください。
アセチレン容器の充填口パッキン密着不良によるガス漏れを防止するため、調整器の容器取付枠は安全性の高いフリースライド式に改良されたものがあります。

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4.消費設備の変更に関し注意すべき基本的な事項について

◇設備変更

●消費設備の修理や工事
修理等をするときは、あらかじめ、修理等の作業計画及び当該作業の責任者を定め、修理等は当該作業計画に従い、かつ、当該責任者の監視の下に行うこと又は異常があつたときに直ちにその旨を当該責任者に通報するための措置を講じて行わなければなりません。
消費設備の工事や修理をするときは、設備内部のガスを水または窒素で置換してから行って下さい。
●点検による交換
乾式安全器の年一回の定期自主検査、三年毎のメーカーの再検査の際、交換を行う場合でも乾式安全器なしでの消費はしてはいけません。点検の間代用できる予備品をご準備ください。

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5.ガス漏れを感知した場合その他高圧ガスによる災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に消費者がとるべき緊急の措置及び販売業者等に対する連絡に関する基本的な事項について

◇ガス漏れ・緊急時の措置

●ガス漏れの措置
バルブを開いたとき、スピンドルの周囲からガスが漏れた場合は、直ちにバルブを閉じて、その容器を火気のない場所に移し、「バルブ不良」を表示して急いで販売店に通報してください。
作業中にガス漏れを感知した時は、直ちに作業を中止し、吹管及び容器のバルブを閉め、漏えい個所を修理して下さい。使用再開は、修理個所からガス漏れのないことを確認してからして下さい。

◇消火

●可燃性ガスによる火災が発生したときの処置
まずガスを止め、消火するとともに、大量の注水で容器を冷却して下さい。
器具やホースからの火災は、容器バルブを閉めると鎮火します。
なお、一旦鎮火しても再着火することがありますから、鎮火した容器でも引き続き充分に、冷却注水してください。

◇準備

●緊急時対策
緊急時の対応については、事前に納入業者と充分協議しておいてください。
社内では、地震等災害等の緊急時に備えるため、「緊急時の処置体制」を明確にし、適切な処置、対応、連絡ができるように常時指導して下さい。

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6.前各号に掲げるもののほか、高圧ガスによる災害の発生の防止に関し必要な事項について

◇保管

●高圧ガス容器の保管
容器は、常に40℃以下に保ち、通風の良い場所に置き、直射日光を避けて下さい。
容器は立てて貯蔵します。可燃性ガス容器と酸素容器、また充瓶と空瓶は間隔をあけ、区分して置いてください。
容器置場の周囲2メートル以内には、火気または発火性、引火性の物を置かないで、火気厳禁の表示をしてください。
保管場所、貯蔵場所には消火器を備え付けてください。

◇容器の取り扱いについて

●容器の取り扱い
充填容器等は転落、転倒等による衝撃又はバルブの損傷を受けないように粗暴な取扱いをしないでください。
充填容器等には、湿気、水滴等による腐食を防止する措置をしてください。
●高圧ガス容器の返却
容器の保管、授受管理を徹底し、使用済み容器は迅速に返却されるようご協力お願いいたします。
ガスの消費後は異ガス(空気も含め)混入を防ぐため、残圧のある状態でバルブを完全に閉めて返却してください。
ガス容器の長期保管は、災害発生のおそれが大きいので、計画変更等で高圧ガスの使用を中断されるようなときは、未使用容器や残ガス容器の処置について、速やかに納入業者にご相談ください。
容器の盗難、紛失の場合は直ちに都道府県担当部署又は警察署及び納入業者にご連絡ください。
●高圧ガス容器の廃棄
高圧ガス容器は通常は販売店やメーカーの所有物ですので、一般的には廃棄せず購入元へ返却してください。
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◇移動

●高圧ガス容器の移動
高圧ガス容器を車両に積載して移動するときは、転倒転落防止やバルブの保護等の措置を確実に行ってください。
車両の見やすい箇所に警戒票(高圧ガスステッカー)を掲げてください。
積載しているガスの名称、性状、及び災害防止のために必要な注意事項を記載したイエローカード、消火器および防災工具などを必ず携行してください。
ワゴン車や乗用車などは高圧ガスの輸送に適していないので、これらによる高圧ガスの輸送はやめてください。
どうしてもやむを得ずワゴン車等で移動するときは、ガスが漏れても車内に滞留することがないように窓を開けて使用する等、喚起措置を充分に講じて下さい。
ワゴン車にかかわらず、車両に長時間(2時間以上)積載しておくことは、高圧ガス保安法の貯蔵規定違反となりますので絶対に避けてください。

◇製造

高圧ガスの製造をするには都道府県知事への届出または許可が必要です。法に定められた製造に係る技術上の基準を満たさず製造行為となる作業を行うことはきわめて危険です。製造となる行為には高圧のガスの製造以外にも、高圧ガス容器の移充填なども含まれますので、絶対に違反しないようご注意ください。(最高1年の懲役と最高百万の罰金刑の併科

◇廃棄

高圧ガスの廃棄は保安法に定められた手順で行わなければなりません。
もし高圧ガス容器を所有されている場合でも、廃棄処理は非常に危険ですので必ず販売店等にご相談ください。
残圧の有無にかかわらず、不要となった容器をごみとして出さないでください。


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詳しくは販売店に周知文書など詳細資料をご請求ください。

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参考文献:高圧ガス消費者保安講習テキスト(全溶連)/周知文書(全溶連)/高圧ガスハンドブック(日本産業・医療ガス協会)/高圧ガス保安法ほか法律・政令・省令・告示など
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